この世界の片隅にの感想


テアトル新宿にて観てきました。


個人的には、いい映画だと思いました。


上映中は笑いも何度も起きていたのですが、鑑賞後はみなさんなんとも言えないような、何か感じるところがあるような、そんな作品でした。


観るべきか悩んでいる人の中には、よくある反戦映画ではないかという不安があるのではないでしょうか。


戦争の作品と言うと、「蛍の墓」「裸足のゲン」「アドルフに告ぐ」「ライフイズビューティフル」「戦場のピアニスト」等、何か感動させようとしてきたり反戦を強く打ち出してきたりする印象を受けます。
ただ、「この世界の片隅に」は違う気がします。


フィクションなのですが、我々の日常と地続きのような、こういうことってありそうだなというリアリティがあります。


1つは徹底した取材による裏取りがあるのでしょう。
例えば、配給で鰯が4匹出されるシーンがあるのですが、これも呉市の月ごとの配給資料を基に作られたみたいです。
監督は資料を基にわかるところから攻めてリアリティを醸成していったようです。


2つめには日常のどのような瞬間に幸せを感じるのか、その切り取り方と魅せ方が上手いので引き込まれリアリティを感じました。
主人公のすずがわずかな材料を基に工夫して、結構美味しい料理を作れたシーンとかはこちらまで嬉しくなってしまいました。


3つめには、様々な大人のあり方を描いていることもあると思います。
戦争中でも、大人は会社や軍で働く。軍の中でも兵隊、内勤、エンジニア、それぞれが役割を全うする。
役割を果たすという部分が重なり、普段自分が会社で働いてるのとそんなに変わらないと思いました。
様々な大人のあり方が、自分の中で納得感ある形で入ってくるのでリアリティを感じるのでしょう。


まぁ、そんなわけでそんなに感動させにくるわけでもないが、妙なリアリティでなんか心に訴えかけるものがある。そんな作品だと思います。


まだ観ていない人は観てみて損は無いと思います。
戦争のときってこんな感じなのかなというリアルが疑似体験できたような感覚になれます。
そして、今ある生活をまた見つめなおすきっかけにもなると思います。